お年玉をやり取りし終わった次は、
全ての人々が花粉を受け取るターン
どうも、皆さん。
年末年始も休まずお仕事★連休は最大2日まで(!)
現役の医薬品登録販売者・もずく(@mozuku_on7sea)です。
今回は、
市販薬絡みのInstagram・noteの投稿をリライトした
《もずくの薬勉強部屋EX》をお届け。
- もっと多くの“医薬品登録販売者”に情報を届けたい
- より有益な情報を発信→ブログのパワーアップを図りたい
との考えから始めたシリーズです。
他にも書きたい事あるからww
《登販向けブログ》である以上、【最低でも年に2本】は
このシリーズの記事を上げていくよ〜。
今回は《第3回》という事で、
一定の時期になると薬相談が増える
『花粉症(アレルギー性鼻炎)の薬』に関する記事をお届け。
何本か記事を分けていきまっせ!
サラッと立てていったぞww
今回は
【”第1世代抗ヒスタミン薬”を含む鼻炎薬】をまとめた記事を
お届けします!
使えるヤツだよ~。
この記事は、こんな方にオススメですよ~。↓
- 研修中の登販で、薬接客がただただ不安…orz
- 試験に合格してから日が浅くて、もはや不安しかない!
- 忙しくて、薬の勉強する時間が取れないンゴ…orz
- 市販薬に関する知識、ドンドン深めていきたい!
- 忙しくて調べ物する時間がないので、”情報まとめ”をサクッと読みたい!
それでは、市販薬の世界に潜っていきましょう。
目次
『第1世代抗ヒスタミン薬』って?ざっくり解説
登録販売者試験でもお馴染みの成分がコチラ。
鼻炎薬、かぜ薬、乗り物酔いの薬…等々、
様々な市販薬に配合されています。
今回のテーマである”鼻炎薬”によく含まれているのは
『クロルフェニラミン』。↓
以下、ざっくりと解説していきます。
【アレルギー性鼻炎】《抗ヒスタミン薬》がはたらく仕組み
アレルギーの原因物質が体内に侵入すると…
マスト細胞(肥満細胞)から、様々な伝達物質が放出されます。
↑ アニメ化されたマンガ『はた●く細胞』でも大活躍!
『抗ヒスタミン薬』は、その名の通り
体内の伝達物質の1つ・ヒスタミン(症状を引き起こす物質)の
働きを抑えます。
ヒスタミンの受容体に先回りで結合して、
ヒスタミンが結合できないようにします!
…と、こんな感じで
アレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ・鼻水など)を抑えてくれます。
《抗コリン作用》にご用心!
第1世代抗ヒスタミン薬は、抗コリン作用も併せ持ちます。
鼻水を抑える作用がある反面、
以下の副作用には十分注意を! ↓
- 口が渇く
- 目:異常な眩しさを感じる ⇒車の運転NG
- 便秘
- 眼圧up ⇒ 緑内障のタイプによっては要注意!
- 尿が出にくくなる ⇒前立腺肥大症の方は要注意!
実は…《第1世代抗ヒ》を含む鼻炎薬は
”抗コリン薬”を一緒に配合している場合が多いんです。
なので、↑に書いた副作用が
より強く現れる可能性があります。
結構ツラかった経験があるよ…orz
想像しただけで怖いんだが…((((;゚Д゚))))
《眠気》にも要注意!
もう一つ注意したい副作用は、眠気。
ヒスタミンは、脳で覚醒を維持する作用を持っています。
”第1世代抗ヒスタミン薬”は、何と!
脳血液関門(脳へ移行する物質を選別・制限するバリア)を
通過して、脳へ移行してしまいます…。
↑のような“抗ヒスタミン作用”を発揮した結果、
覚醒を保てず、眠気に襲われるハメに…。
《目への作用+眠気》という理由で、
この手の成分が入ってる市販薬には
『運転しないでください』って書いてあるんだね。
仮に眠くならなかったとしても、本人が自覚しないまま
集中力や判断力などが低下してしまう恐れも…。
(↑の事を、少し難しい言葉で『インペアード・パフォーマンス』と言います)
【第1世代抗ヒ】良い所もある
”第2世代抗ヒスタミン薬”に比べて、効果の出現が速いのが特徴。
「鼻がグジュグジュで無理~!何とかしたい!」って感じの
既に症状があって、早く何とかしたい人や
症状がひどい人にはオススメ。
ただ、↑に書いた副作用の事もあるので
長期連用はオススメできません…。
【”第1世代抗ヒ”とコンビに】血管収縮剤
結構ツラーイ症状の1つ・鼻詰まり。
実は、”第1世代抗ヒスタミン薬”だけでは
鼻詰まりへの効果がイマイチ。
そこで登場するのが、コチラの”血管収縮剤”。
↑ 血管をギュ~ッと締めているイメージ
交感神経を刺激して、鼻の粘膜の血管を収縮させるので
鼻詰まりに効果があります。
《第1世代抗ヒ》を含む鼻炎薬には、何かしらの血管収縮剤が
一緒に配合されている事がほとんど。
交感神経を刺激する関係上、以下の持病がある方は要注意!
以下の疾患の病状を悪化させる恐れがあります!
- 高血圧
- 心臓病
- 糖尿病
- 甲状腺機能障害
特に注意!《プソイドエフェドリン》
中でも、特に注意が必要なのが”プソイドエフェドリン”。
鼻詰まりへの効果が高めで、医療用医薬品としても
使われている成分です。
(フェキソフェナジン《第2世代抗ヒスタミン薬》との配合錠で、
『ディレグラ』というお名前)
↑個人的には、マッチョな人が血管締め上げてくるイメージ
以下、注意点を解説していきます。↓
”プソイドエフェドリン”は《してはいけないこと》多め!
交感神経を刺激する作用が強いため、
【してはいけない事】がグッと増えます。
- 前立腺肥大症による排尿困難
- 高血圧
- 心臓病
- 糖尿病
- 甲状腺機能障害
★かぜ薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬等により、
不眠、めまい、脱力感、震え、動悸を起こしたことがある人
(交感神経刺激作用が強く現れるため)
★腎臓病
(腎機能障害がある場合、体外への薬物の排泄が遅くなる
⇒作用が強くあらわれる恐れアリ)
”プソイドエフェドリン”は【濫用リスク】アリ!
”プソイドエフェドリン”は、濫用リスクがある成分に指定されています。
販売個数は1人1個のみ。
2023年4月〜 《メチルエフェドリン》は、剤形に関わらず
”濫用リスクがある成分”に指定されています。
長期連用はNGで、医療用医薬品(ディレグラ)の添付文書にも
連用に関する注意書きがあります。↓
本剤の使用は鼻閉症状が強い期間のみの最小限の期間にとどめ、
鼻閉症状の緩解がみられた場合には、
速やかに抗ヒスタミン剤単独療法等への切り替えを考慮すること。
本剤を 2 週間を超えて投与したときの有効性及び安全性は
臨床試験では検討されていない。
(ディレグラ配合錠 添付文書『重要な基本的注意』より、引用)
「鼻づまりがキツくてツライ!今スグ何とかしたい!」
そんな時に、頓服として短期間使うのはアリかと。
ですが、長期連用には向かないので
症状が治まってきたら
《第2世代抗ヒスタミン薬》への切り替えが◎。
《第1世代抗ヒ》メジャーな鼻炎薬、ざっくりまとめてみた
どこのドラッグストアにも置いてあるような
メジャーな鼻炎薬の情報をまとめてみました。
(各会社のPB[プライベートブランド]は割愛)
使用可能年齢や服用回数、製品の特徴は
それぞれ異なります。
ライフスタイルに合った製品の選択に
1ミリでも役立てて頂ければ嬉しいです!
新コンタック600プラス
カプセルのキャラクター『Mr.コンタック』でお馴染みの
『コンタック』シリーズの鼻炎薬がコチラ。
配合成分はコチラ ↓
【成分・分量】(成人1日量)
- 血管収縮剤:塩酸プソイドエフェドリン 120mg
- 抗ヒスタミン薬:クロルフェニラミンマレイン酸塩 8mg
- 抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド 0.4mg
- 無水カフェイン 100mg
(コンタック 製品ラインナップ『新コンタック600プラス』より、引用)
《特徴》1日2回でOK!
カプセル内に、速く溶け出す(速放性)顆粒と
時間をかけてじっくり長ーく溶けていく(徐放性)顆粒を含みます。
効果が長く持続するため、1日2回(朝・夕)の服用でok。
7歳から使えるのも◎。
学校や仕事で日中が忙しく、昼の薬を飲み忘れやすい方に
オススメしやすいのが◎。
【第一世代抗ヒ+抗コリン薬】を含むので、
眠気などの副作用への注意喚起は必須。
”カフェイン”を含むからと言って
眠くならないワケでは無いので要注意ですよ~。
(鼻炎に伴う頭重感・頭痛などの緩和目的で配合)
『コルゲン』シリーズ三兄弟
カエルのキャラクター《ケロちゃん・コロちゃん》でお馴染みの
コーワ[興和(株)]から発売されている薬です。
3種類ある製品に共通するポイントはコチラ↓
- 症状がある時、食事に関わらず服用可
- 服用間隔は4時間以上
- 1日3回まで服用可能
- ”プソイドエフェドリン”を含まない
鼻炎薬は3種類あるので、順に解説していきます。
コルゲン鼻炎ジェルカプセルα
カプセルの中身が液状で、早く溶け出すのが特徴。
配合成分は↓
【成分・分量】(1カプセル中)
- 抗ヒスタミン薬:d -クロルフェニラミンマレイン酸塩 2.0mg
- 抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド 0.2mg
- 血管収縮剤:dl -メチルエフェドリン塩酸塩 15.0mg
- 血管収縮剤:フェニレフリン塩酸塩 5.0mg
- 無水カフェイン 40.0mg
(コーワ『コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセルα』より、引用)
”プソイドエフェドリン”ではないけれど
血管収縮剤を2種類含むため、持病のある方は要注意!
コルゲン鼻炎フィルムα
薄型・小型のフィルムで、持ち運びに便利なのが◎。
唾液でサッと溶けるため、水なしで服用できるのもgood。
服用に関して、添付文書に
以下のような”補足説明”がありました。↓
万一、のどに貼り付いてしまった場合には、水で流し込んでください。
また、唾液が少なく服用しにくい時は、
水を口に含み、溶かしながら服用してください。
(『コルゲンコーワ鼻炎フィルムα 添付文書』より、引用)
何らかの原因で《強い口渇のある人》は
『相談すること』に挙げられてるよん。
配合成分は↓
【成分・分量】(1枚中)
- 抗ヒスタミン薬:d -クロルフェニラミンマレイン酸塩 2.0mg
- 抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド 0.2mg
- 血管収縮剤:フェニレフリン塩酸塩 6.0mg
(コーワ『コルゲンコーワ鼻炎フィルムα』より、引用)
ギュギュッと凝縮してる感じだね。
コルゲン鼻炎ソフトミニカプセル
『コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセルα』とは
成分が異なるのがポイント。↓
【成分・分量】(1カプセル中)
- 抗ヒスタミン薬:d -クロルフェニラミンマレイン酸塩 2.0mg
- 抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド 0.133mg
- 血管収縮剤:フェニレフリン塩酸塩 5.0mg
- 抗炎症剤:グリチルリチン酸ニカリウム 10.0mg
- 無水カフェイン 40.0mg
(コーワ『コルゲンコーワ鼻炎ソフトミニカプセル』より、引用)
『ジェルカプセルα』と比べると、
”抗コリン薬”の配合量は少し控えめ。
抗炎症剤が配合されているのも特徴的ですね。
アネトン アルメディ鼻炎錠
『アネトン』シリーズの鼻炎薬がコチラ↓
緑色のパッケージが目を惹きますね。
配合成分は↓
【成分 分量】(成人1日量)
- 血管収縮剤:プソイドエフェドリン塩酸塩 180mg
- 抗ヒスタミン薬: クロルフェニラミンマレイン酸塩 12mg
- サイシン(細辛)エキス 30mg
- カンゾウ(甘草)末 300mg
- シンイ(辛夷)エキス 21mg
- ショウキョウ(生姜)末 100mg
- 無水カフェイン 90mg
(健康サイト by アリナミン製薬『アネトンアルメディ鼻炎錠』より、引用)
淡褐色(生薬を含むため)の錠剤で、11歳から使えます。
コチラは1日3回(食後)に内服する必要アリ。
《特徴》生薬を配合!
最大の特徴は、生薬を含む事。
鼻症状に効果のある”サイシン”や”シンイ”、
抗炎症作用でお馴染みの”カンゾウ”等を含みます。
生薬で補強しているような感じだねぇ。
ストナリニS
ゾウのキャラクター『サトちゃん』でお馴染みの
佐藤製薬『ストナリニ』シリーズの鼻炎薬がコチラ。
錠剤が二重構造になっていて、
効果が長ーく持続するのが特徴。
成分は↓
【成分・分量】1日最大量
- 抗ヒスタミン薬:クロルフェニラミンマレイン酸塩 (内核:6mg/外層:6mg)
- 血管収縮剤:フェニレフリン塩酸塩 (内核:6mg/外層:6mg)
- ダツラエキス(内核:12mg/外層:12mg)
(佐藤製薬《ストナリニ》公式サイト『ストナリニS』より、引用)
副交感神経の働きを抑える生薬『ダツラエキス』を配合。
内核と外層は、それぞれ同じ成分を同量含みます。
1日2回まで服用可能。
1日1回で様子を見てみるのもアリかも。
パブロン鼻炎カプセルSα
風邪薬でお馴染みの『パブロン』シリーズ。
鼻炎薬もモチロン存在します。
1日2回内服するタイプの薬がコチラ。
速く溶ける顆粒とゆっくり溶ける顆粒を含むため、
効果が長~く持続します。
(添付文書によると、服用間隔12時間)
配合成分はこんな感じ。↓
【成分・分量】 1回量(2カプセル)中
- 血管収縮剤:塩酸プソイドエフェドリン 60mg
- 抗ヒスタミン薬:マレイン酸カルビノキサミン 6mg
- 抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド 0.2mg
- 無水カフェイン 50mg
(大正製薬 ”製品情報サイト” 『パブロン鼻炎カプセルSα』より、引用)
成分の構成は『新コンタック600プラス』と似ていますね。
(違うのは”抗ヒスタミン薬”のみ)
1日2回のタイミングに関しては、
公式サイトに説明がありました。↓
Q.食前?食後?いつ服用したらいいですか?
A.パブロン鼻炎カプセルSα
⇒食前、食後など気にせずに、症状がある時、いつでも服用いただけます。
(大正製薬 ”製品情報サイト” 『よくあるお問い合わせ』より、引用)
…以上、メジャーな製品まとめをお送りしました。
【おまけメモ】”クロルフェニラミン”について
突然ですが、補足を1つ。
『クロルフェニラミン』と『d-クロルフェニラミン』
2種類の表記があります。
この違いはご存知でしょうか?
クロルフェニラミンには、d体とl体が存在します。
- 『クロルフェニラミン』と、特に表記の無いモノはdl体(d体とl体が同量混ざったモノ)
- 『d-』と表記のあるモノはd体(医療用医薬品では『ポララミン』というお名前)
d体は、抗ヒスタミン作用を持つ《作用の本体》です。
一方、l体には抗ヒスタミン作用が
ほとんどありません…(眠気の副作用はある)
なので、dl体で『d体』と同じ薬効を得るためには
約2倍の量が必要となります。
(dl-クロルフェニラミン:12mg ≒ d-クロルフェニラミン:6mg)
(参考資料:アリナミン製薬『からだ健康サイエンス』より、『武田薬報』 2014秋・476号『特集:かぜ薬徹底解説』)
終わりに
以上、『“第一世代抗ヒ”を含む鼻炎薬』の
比較記事をお届けしました。
今後も【もずくの市販薬勉強部屋EX】と題して、
市販薬に関する有益な情報を
ブログ記事としてupしていきます!
気長にお待ちくださいまし〜。
ご意見・ご感想や
「この市販薬をピックアップして欲しい!」等の
リクエストがありましたら、お気軽に
ブログやSNS(Twitter・Instagram)にDM・コメントを
お願いします。
という具合で以上、もずくがお送りしました~。
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